さして金もないのに、投資関連の本をときどき読むのであった。
「マネーはこう動く」は著者の藤巻氏の書き方が大変わかりやすく、
読んでみたのだけど、サブプライムローンによる混乱を、
既に株価に折込済の深刻でない問題と片付けてしまっていた
ところが、この本全体の信憑性をかなり下げてしまっていた。
ただ、金がいかに危うい流動物かというのは、一段と感じることができた。
金本位制でない現在、各国がその気になりさえすれば、お札はいくらでも
すれること、マネタリーベースとマネーサプライについては
無学な僕には特に勉強になった。
僕は以前、人を雇ってつくづく感じたことがあるのだけど、お金というものには
複雑な感情を持っている人が多いということだ。
例えば、僕はお金は関係ないです、仕事が面白いかどうかが
大切です。とよく言っていた社員がいて、その社員が仕事の実績も上がらないし
実際に4月に給料上げなかったら、給料上げてくれなかったから辞めると唐突に言われて、
唖然としたことがある。
基本的には、ほとんどの人がお金をほしいのだけど、現在お金がない人は
「俺は金になんか興味ないんだ。金のことばかり考えているやつはせこい奴だ」
というポーズをとりたがる傾向があるようだ。
ところがそういう素直でないポーズをとると余計に、お金と縁遠くなるような気もする。
ところが、金の亡者になってしまって、人生のバランスを失ってしまう人も
いるのだと思う。
昨年、病院で死にかけていたとき、それでも仕事のことも気にはなっていたのだけど、
もし仕事が金を稼ぐためのものに過ぎないなら、生死がかかっているときに、金の心配
していることになる。馬鹿げている、自分の命は金より大切。
ところが実際は、過労死する人がいたり、破産して自殺する人がいたりする。
僕にとっては
「マネーはこう動く」
より
「マネーは人の心をどう動かすか」
あるいは
「マネーで自分の心はどう動いてしまうのか」
こそ考えるべきことなのかもしれない。
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