火曜日, 2月 20, 2007

恋愛相談で全く役に立てず、でも真剣さに心打たれたこと

その女性はとても魅力的だけど、ちょっと危ない人で、自分がそれほど好きでない男については、その心を弄ぶことがある人だった。

その女を好きになった男は学歴も職歴も立派なエリートエンジニアだった。

僕はたまたま、その女性のほうを知っていて、その男のほうにはほんの数回あったことが
あるだけだったのだが、その彼が、僕に相談したいことがあるという。

僕ははっきり、自分の考えを彼にいった。
あまり人を見る目がない自分でも どう考えても彼が彼女の心を捕まえることはできないし、
万一捕まえても、そのあと彼が幸福になれるとも思えなかったからだ。

折角、僕に相談したいということだし。

「彼女は結婚に向かないだろうし、あたなともあわないと思う。ともかくやめたほうがよい。」

かーーー。俺みたいなこんなことに疎い人間のセリフじゃない。でも本気でそう思った。

彼の答えは意外なものだった。

「僕は彼女の声を聴けるだけでもいいんです。それだけでも嬉しくてしょうがないのです。」

「...................................」

何も言えなくなった。

しばらくたって、彼にきいた。

「何で僕に相談しようと思ったのですか?」

「それは、............................................」

また固まってしまった。

彼の真剣な恋愛感情に僕は何も役に立つことはいえなかった。
何故、彼はそこまで、彼女を好きになったのだろう。

僕はその女性が非常に魅力的なのは認めるが、
その純情な男の心を手玉にとって弄んでしまうところが、
それができてしまうところが、基本的に人間として好きになれないなあと
思うばかりだった。

魔女は現実にいるのだ。

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